初めての方へ
警備を依頼する前に
1. ボディーガードと言えば、スーツにサングラスだと思 っていませんか?
実際にはそんなことはありません。
ボディーガードは脅威の評価(危険の度合い)と、警備対象者のライフスタイルによって、
身なりを変えていきます。
脅威の評価(危険の度合い)
怨恨等の特定の相手から脅威を抱えている際の警備は、
相手や周囲から極力目立つ事を避けて警備を行います。
その為、警備対象者が訪れる先々で、
その場所に溶けこむこと、且つ警備に支障がない格好を選択するのです。
状況で例えますと、
海水浴場やゴルフ場でスーツを着用していると目立ちますし、
オフィス街を水着姿でいれば、周囲の視線が集まります。
このような状況では、ボディーガードが目立つことによって、警備対象者も目立たせてしまい、
結果として警備対象者を狙う者からも目立ち、襲撃を容易くさせてしまうのです。
その為、ボディーガードは周囲の環境など(TPO)に自身のコントラストを合わす事が必要となります。
警備対象者のライフスタイル
ボディーガードは警備対象者と長い時間を共に過ごします。
その為、ボディーガードは警備対象者が周囲に与える印象に大きく影響してしまいます。
つまりボディーガードは、警備対象者の品格(周囲からの見られ方)を下げてしまわない為に、
身なり(美意識)に気を使わなくてはならないのです。
これは警備能力とは一見無関係に感じますが、
身なりを警備対象者のライフスタイルに合わせることで、
警備対象者や周囲との信頼関係が増し、(認めていただくことで)
情報共有が潤滑になり、協力的に警備が実施でき、
結果、警備体制が強固となるのです。
この信頼関係がお互いに築けないと警備内容は最悪です。それはご想像頂ければお分かりになると思います・・・
このような理由から、ボディガードは身なりを変えて警備を行います。
しかし実際には、依頼される方のライフスタイルがスーツに適した環境が多い為、
殆どのケースで、スーツを着用している事が多いのが実情です。
補足としてですが、
サングラスを着用する理由では、以下の例があげられます。
・日光反射によるの観察力低下を防ぐため
・周囲に視線の先を認知されないため 等です。
警備に関係する理由もなくサングラスをしているならば、そのボディガードは警備をしていませんのでお気をつけ下さい。
2 . 「 ◯◯(有名人)のボディガードをしました。」は要注意
「〇〇(有名人)のボディガードをしました」ということを、
宣伝材料にされているボディーガードや警備会社は沢山あります。
結論から言いますと、ネームバリューのある対象者を警備するのは簡単です。
それは日本では旅行アテンダーと変わりがないからです。
本当に警備能力のあるボディガードは、
一般の方々の依頼を経験してきているボディガードと言えます。
一般の方々は、自分自身に明確な危険がないと依頼をしません。
何故ならお金(コスト)がかかるからです。
依頼内容によって、脅威(危険の度合い)はピンキリですが、
基本的に犯罪が絡むケースが大半です。
実際にリアルな脅威やトラブルに相対していると、
ボディガード自身も、自分の身や、自分のライフスタイルを守るために、
情報の漏洩は徹底して守ります。
「◯◯のボディガードしてます」なんて、口が裂けても言えません。
一方、ネームバリューのある警備対象者の依頼は、
イベントオーガナイザーから警備対象者へのサービス目的や、パフォーマンス目的を主とした内容が大半で、
明確な脅威は殆どのケースでありません。
来日する外国人(タレント,アーティスト,スポーツ選手)の警備は、概ねこのケースに当てはまり、
内容は日本滞在中の旅行アテンダーと何ら変わりがないと言えます。
例外として、特定の相手からストーカー行為を受けているなどのケースも有りますので、
全てとは言いませんが、99%安全といえるような内容です。
この様に説明すると、
一般の方々の依頼を受けているボディガードに軍配があがりますが、
ビジネスを考えると話は別です。
ネームバリューのある警備対象者の依頼の方が、宣伝効果になるのが実情だからです。
ボディガードの内容を知らない依頼者の方々からしてみれば、聞こえが良い名前を出せば信用と安心に繋がります。
つまり警備能力とビジネスは別問題ということです。
3. 警備員の制服は逆効果
オフィスビルやショッピングモール等の施設では、警備員は制服を着用しています。
これは、その施設の警備員であることを、誰が見ても分かるようにする為です。
誰が見ても警備員と分かるということは、犯罪の抑止力に繋がります。
とても惜しいと思います・・・
昨今の警備会社が用いる制服は、各国の警察の制服をモチーフにしたデザインが多く、
(警備業法で警察と区別されるよう制作する規定はありますが)
それは老若男女問わず、一般の方々へもイメージが定着しています。
警備業界はこのイメージ作りに失敗したと言えます。
業界全体を説明すると長くなってしましますので割愛しますが、
率直に一般の方々は、この類似の制服に警備の威圧や緊張感を感じてない筈です。
これはつまり犯罪者や犯意者(犯罪の意志のある者)も感じてないという事です。
この状態では、制服を着用することに警備的な意味はありません。
それでも制服を着用している警備員を見ると、警備会社のエゴを感じ、
警備力の追求を放棄している様に見えてしまいます。
スーツを着用してSECURITYの腕章やバッジを着用するなど、
既存の制服以外の手段を考案したほうが、確実に警備力は向上する筈です。
ナイトクラブ等の警備に威圧感を感じるのは、
こういう所の見せ方を考えているからだと言えます。
ナイトクラブではナイトクラブならではの、オフィスビルやショッピングモールでは、
その場所特有のもっと良い見せ方が有るはずです。
一番大事なことは、警備能力(レベル)を向上するために、理にかなっているかです。